「セルフ・モチベーション」の意味をご存知ですか?
セルフ・モチベーションは、何事かに取り組もうとするときに自分自身を内側から駆り立て、その何事かに向かって前進する力です。目標達成や自己成長のための技術としてよく知られており、セルフ・モチベーションのメリットや高める方法は、自己啓発、教育、ビジネス、心理学など多くの分野で意識されています。
セルフ・モチベーション自分の成長のことだけではありません。部下などにやる気になってもらいたいとき、そのリーダーとなる人間はセルフ・モチベーションのことをよく知っていいて、その部下の自発的なやる気の創造を助けられなければなりません。
今回はセルフ・モチベーションの本当の意味やメリット、高め方を確認しておきましょう。
セルフモチベーションの本当の意味とは
セルフ・モチベーションは「何事かに取り組もうとするときに自分自身を内側から駆り立て、その何事かに向かって前進する力」と定義づけられます。
セルフ・モチベーションの力は、限られたテーマの中だけでなく、日々の生活や仕事における成果を最大化するためにも重要な役割を果たします。内面から湧き出る原動力であり、個人が目標に向かって自らを推し進める力だからです。ただ、それゆえ単に「がんばれ」と自分にハッパをかける内なる声と単純に考える人もいます。
しかし、実際はもっと精神的に深みがあるものです。ですから「自分自身に対する理解や自己認識に基づくもの」だということを理解しておかなければなりません。
セルフ・モチベーションを理解し、高めることは、メンタルフィットネスを向上させ、より良い生活を送る鍵となります。セルフ・モチベーションは、セルフ・モチベーションは「自分の内面から生まれる自然エネルギー」です。「外部要因」に左右されず、個人の興味、価値観、情熱に根ざしています。
だからこそ、個人的な目標達成はもちろん、職場での成功にも不可欠です。集中力を維持し、長期的な目標に向かって日々の仕事を意味あるものに変える力を持っています。
セルフ・モチベーションの力を高めるメリット
セルフ・モチベーションが内面から湧き出る原動力であり何かの目標に向かって自らを推し進める力だけに、その力を高めることは、仕事の成果に直結します。
そして、個人1人のことだけではなく、周囲にもメリットが及ぶ可能性も大きいのです。
例えば、自発的にスキルセットの拡大を目指し自発的にオンラインコースやトレーニングを取り入れる人間は、自分の成果を上げて昇進するというメリットがあります。それだけでなく、その側でそれを見る人間を刺激し「自分も」というやる気を起こさせ、同様に成果を上げられるようにさせ、さらにそれが伝播することによって、チームや組織全体がレベルアップするというメリットがあります。
それに、自己の内部から意欲を生み出すセルフ・モチベーションは、状況を乗り越えるための解決策を見出す力が養われやすく、失敗や挫折に強いメンタリティが培われます。それは、例えば新しいビジネスを立ち上げた起業家が予想外の障害に直面するような時も、自分のゴールを見失わず、新たな戦略を立てて対応できるような柔軟で強靭な精神性や知性となるでしょう。そうすればその起業家が優れた経営者として成長するだけでなく、周囲の人間も優れた指導者を持つようになるのです。
また、セルフ・モチベーションは仕事のことだけでなく、生活全般の質を向上させる多くのメリットをもたらすものと言えます。
セルフ・モチベーションは自己肯定感や自己効力感を向上させることも言われています。自分の能力を信じ、前向きな考え方や行動ができるようになります。自分の能力を信じて果敢に多くのことに挑戦できたり、毎日を前向きに生き生きと過ごせるようになることで、満足感や幸福感を得やすくなり、生活全般の質が上がります。
セルフ・モチベーションじゃないとダメな理由
自分の内面から生まれる自然エネルギーを生み出す力が「セルフ・モチベーション」であるとすると、それに対して報酬や罰など外部からの刺激に外部からの刺激に依存する意欲のあり方を「外的モチベーション」と言います。「ボーナスを上げるから働いて」とか「これをすぐやらないと、残業になるぞ」と言った条件を提示してやる気を起こさせようとすること、というとわかりやすいでしょうか。
外的モチベーションも、短期的な効果だけを期待すると気はいいですが、何回も長期に渡って使えるものではありません。なぜならそのような動機づけは報酬や罰がなくなるとすぐに減衰することがよくあるからです。外部からの刺激に依存している限り、その効果は一時的で、自発性や長期間にわたる意欲の維持が期待しづらいのです。
個人の問題としても、行動の出発点が報酬を得ること/罰などの不利益を避けることを近視眼的に捉えることになると、何をしても内発的な満足感や達成感が得られにくくなります。また、継続的な自己成長への展望を描きにくくなるでしょう。
なた、報酬や罰など外部からの刺激を行動の出発点にする習慣になると、外部からの評価を必要以上に気にし、その評価に気分や次の行動が左右されるようになることもあります。これでは自分の人生が他者に振り回されることにもなりかねません。
ただし、報酬や罰など外部刺激によるモチベーションのあり方が絶対にダメだということではありません。上で言ったように短期的な効果を期待するときには有効であることもあります。
個人としても、あるいは組織においても、セルフ・モチベーションのあり方や高め方をきちんと理解し、外的モチベーションとの違いを知ることが重要です。その上で両方のバランスを適切に取ることで、より持続可能で充実した意欲の活性化や動機づけを実現できます。
セルフ・モチベーションを高める方法
さて、それではセルフ・モチベーションを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。どのような方法やアプローチがあるのでしょうか。
ここでは、セルフ・モチベーションを研究した書籍などから抽出した、取り入れやすい方法をお伝えします。
⒈ 健康的な習慣
セルフ・モチベーションは不健康な精神状態で生み出すことは困難です。そのためにも、やはり身体の健康は最初に気をつけたいことです。適切な睡眠時間を摂る、規則的で栄養バランスが取れた食事をする、暴飲暴食をしない、適度な運動を毎日行う、などが大切なのです。
また、よく言われるのは「余裕のある起床時間」です。毎日どこかに遅刻しそうになって慌てる生活は意欲に悪影響を及ぼします。その日1日をどう過ごすか、少しでも余裕を持って確認できる時間をとりましょう。
⒉ 価値観を知る
人は自分独自の価値観を持ち、その価値観に無意識に従いながら生きています。ですから、その自分の価値観を自分で少しでも知ることで、自分の「やる気スイッチ」が理解しやすくなります。
自分が何を大切に思っているか、どんなときに喜びや達成感を感じるのかを時折考えてみてください。ずっとでなくてもいいですが、考える時はぜひ真剣に考えてほしいのです。
また、部下のやる気を引き出したい上司の方などは、部下の価値観を引き出すような質問力を身につけることで、その部下の「やる気スイッチ」を一緒に見つけるサポートができます。
⒊ 自分の信念を言葉にする
「信念」などというと、崇高な考えを想像してしまい「私にはそんな立派なものはないです」と慌てる人がいますが、信念は誰もが持っているものです。また価値観と同様に私たちはその信念に無意識に従い、毎日の行動や態度を選んでいます。
信念とは誰もが持っている「こだわり」のようなものとも言えます。そして、上で言ったように誰もが持っています。「信念なんか無い」という人は、信念はあるがそれが言葉になっていないので、自分ではわからないだけなのです。
自分の信念とは何かを自分に対して言ってみてください。すぐにズバリと間違いのないことを言う必要はありません。むしろ言ってみて違和感がある言葉をどんどん省いていきましょう。人に聞いてもらうのもいいでしょう。いつかスッと心に刺さる言葉が出てくれば、それを大事にしようと思うことがセルフ・、モチベーションに直結します。
⒋ 達成したことを書き出す
達成感を味わい、その感覚をどんどん積み重ねていくこともセルフ・モチベーションに効果があります。
そのためにはまず目標を設定し、達成した目標をチェックしていってください。大きな目標もいいですが、大きすぎると意欲を維持するのが難しくなります。むしろ小さなことでよく、To Doリストなどもこの場合有効です。
1日、1週間、1ヶ月など、細かく目標を設定し、達成できたことがあったら「できた」ことを素直に喜び、自分を褒めてください。
こんなときに自分に自主的に「ごほうび」を上げるのもよく使われる達成感のテクニックです。ただし、部下など他者に対して「ごほうび」を上げるのは、度が過ぎると「外的モチベーション」を誘発する恐れがありますので、適切な限度を考えましょう。
⒌ 自分を許す
セルフ・モチベーションが何事かに取り組もうとするときに必要なものであるからは、目標を達成して期待した成果を手にすることを重要視することは当然です。
しかし、失敗や時間の不足で思ったように目標達成できなかったり、期待したほどの成果でなかったりすることもあるでしょう。これらのことは、ちょっとした失望をもたらします。また、外部評価ばかり気にしてはいけませんが、客観的な目で見てもらった上で下されたものですから、これも思ったような評価をもらえなければ、多少の挫折感を味わうことになるかもしれません。
そのときに自分がしたことに対して「過去の過ち」と捉えたり、自分の能力不足だと考えたりすることは適度なところでやめておいてください。そういうときに「自分を許す」ことができなければ、自分のエネルギーをネガティブなことに消費してしまうことになります。
過去の反省は必要ですが、もっと大切なのが未来への展望です。つまり「今回はこうだったけど、次にはどうしたらいいかな」という考え方です。全体で見ると過去の反省に20%、未来への展望に80%くらいの思考を使ってください。それくらいにしておかなければ自発的なエネルギーは生み出せません。未来への展望が新たなエネルギーを生むのです。
これは、部下の失敗や不足に関しても同じことが言えるのです。
いかがでしょうか。自己認識、自尊心、自己受容を高め、ゴールを持つことがセルフ・モチベーションを生み出す源泉となります。自分でそれを意識することが大事であり、他者に対しては他者自身がそう意識できるようにサポートしてあげることでその人自身のセルフ・モチベーションをm上げることができます。つまり、やる気を引き出せるのです。
セルフ・モチベーションを生み出す力は、仕事、教育、個人生活など、人生のあらゆる分野で有効です。それを通じて、個人は自己充足感を高め、成功へと導く情熱とエネルギーを得ることができます。セルフ・モチベーションは生涯にわたって役立つスキルです。理解し、適切に養うことで、人生の多くの面での成功と満足を達成するための鍵となります。
自分自身を動機づける能力を高めることで、より良い未来へと自らを導くことができるのです。