丸山ゆ利絵が読んで、「エグゼクティブプレゼンスに興味のある人に読んでほしい」と思った本や、その一節をお伝えしています。分野はランダムですが、あなたの「エグゼクティブプレゼンス的教養」のために、のぞいてください。
するべきことをするのがいちばん合理的
うらやましいくらい、きっぱりした人っています。
無駄だと思うことは一切しないかと思えば、人にはわからないこだわりに時間をかけたりします。
常に方針ははっきりしています。ですから、何事も決断が速く、そして後悔しません。例え事案的には失敗しても、その失敗から何かをつかみとることもまた速いのです。
いつ話を聞いてもそう感じてしまう、そんな人から「これ読んだ?」と言われたのが今回の本です。その人は言いました。「この本は私の考え方をかなり変えてくれた」。
ということでご紹介するのは、「エッセンシャル思考」。
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著者はグレッグ・マキューン。スタンフォードでMBAを取った人物で、リーダーシップやビジネスストラテジーについてのコンサルタント。現在は、エッセンシャル思考の啓蒙も含めて、リーダーシップについての執筆、講演、企業アドバイスなどを行っているそうです。
サブタイトルに「最小の時間で成果を最大にする」と書いてあるので、時間管理術とか合理的な仕事術について書いてあるのかと思うのですが、そうではありません。
情報過多、価値観の多様化、思考が混乱しがちなこの世界。その混乱した思考から脱出しよう、自分の人生や自分が価値を置くものに本当に大切なことは何かを明確にしようという、まさに本質的な考え方で思考転換を促される内容です。
その人がそう言うのを聞いて、あらためて読んでみました。そして気づいたのは、「今現在、私は非エッセンシャル思考になってしまっているかも」ということ。
実を言うと、出版されたときにもうすでに読んでいたのです。(初版は2014年)
しかし、その時の私にはあまり感じるものがなかったのでしょう。それほど印象には残っていませんでした。しかし、今回はこの本にしたがい改めて考えてみると、だいぶ自分の思考の曇りが自覚でき、考え方も整理されました。
向き合うタイミングによって、新たなことを教えてくれる本があります。なるほど、これもたまに読み返すのにはいい本だと思いました。潔い切り捨て方をつきつけてくれますので、毎日の中でいつのまにかあれもこれもと考え始めていた自分に喝を入れられます。どうも最近気が散って考えがすっきりしないな、と思う方は読んでみるといいと思いますし、持っておいて損はないでしょう。
特にさまざまなことを考え判断を迫られる経営者や管理職の方、まだ読んでいないなら、さっと目を通してみてはいかがでしょう。