プレゼンスに効く本とは

丸山ゆ利絵が読んで、「エグゼクティブプレゼンスに興味のある人に読んでほしい」と思った本や、その一節をお伝えしています。分野はランダムですが、あなたの「エグゼクティブプレゼンス的教養」のために、のぞいてください。

悩みぬいたリーダーが答えを求めた良書

リーダーとは孤独なものです。

ステップをひとつ上がるごとに、当然ほかの大勢と段差ができ、見渡す風景も違ってきます。そうすれば考えなければならないことも変わり、問題は多くなるのに、そういう状況にともにいて考えや感情を共有できる人は逆にだんだんと周りから減っていきます。

企業内の昇進や昇格でも、経営者や自営業者を選ぶのであっても、自分が主となり何かを勧めなければならず、そのために複数の人に動いてもらわなければならない立場となると、どうしても一種の「孤独」はつきまとうのです。

新しく我が国の総理大臣となる人も、リーダーとなる過程で悩み、考え、その答えを人や書物に求めてさまよった経験を持っています。ある経済誌でそのようなトピックで菅義偉氏の記事を掲載したとき、「菅氏の座右のリーダー書」として話題になった本を読んでみたところ、思いのほかためになる良書だったのでご紹介します。

その書とは、「リーダーを目指す人の心得」です。

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著者はコリン・パウエル氏。知っている方も多いでしょう。アフリカ系アメリカ人として初めて米軍トップに就任した人で、2000年代初頭にブッシュ政権の国務長官を務めた人です。大統領選出馬を考えたときもあったとか。政府の要職にあった他の多くの人間と同様に、行動の評価は高低交えてさまざまありますが、私自身はどちらかというと公正な人物という印象を持っています。

今年(2020年)になってから巻き起こったBlack Lives Matterの一連の騒動の中で、鎮静化に軍の投入もありえると発言したトランプ大統領に批判を表明したことで、注目されました。

その人が書いた本は、冒頭に自分自身で「私は逸話(story)が好きだ」と書いてあるとおり、読みやすいエピソードばかりです。「あのときそんなことがあったんだ」という話もちょくちょく出てきますので、政治の裏話としても楽しめます。

テーマであるリーダー論は、率直で真っ当な内容です。軍人の経験らしい話も多く出てきますが、肩肘はった精神論ではなく、150万人以上もいる軍を健全に運営するために努力してきた人物のマネジメント感覚を感じます。特にセルフマネジメントと、兵士のモチベーション維持に心を配ってきたところが垣間見えます。

上で「真っ当」という言葉を使ったとおり、「ああ、そうだった」と思わず感じるような真っ当な心得を教えてもらえます。がんばっている人は「これでいいんだ」と安心できると思いますし、また「わかってはいたが忘れていた」と気持ちをしゃんとできる人もいると思います。

どんな階層のリーダーにとっても考えさせられたり、力づけられたりするような話が多いでしょう。菅氏も、そうだったのではないかと思います。

経済誌の記事のあと、日経新聞にも菅氏特集で同じ本が紹介されていました。ちょっとした話題の書ですので、目を通しておくのもいいのでは。さっと読めますが、時間の無い人は、最初の13のルールのところだけでも見ておくといいですよ。

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